アコンカグア その③ 登山はーじまーるよー

登山記を書きなぐっていきます。
MENDOZA ~ PLAZA DE MULAS

DAY1 MENDOZA ~ CONFULUENCIA

1月5日メンドーサを出発。Andesmarというバス会社で、Penidentes で途中下車。そこにあるホテルにINKAのスタッフがいて、ムーラに預ける荷物を渡す。自分で背負う荷物は15キロだった。渡し終えたらINKAスタッフにアコンカグア入り口Horcones までミニバンで送ってもらえる。
天気は全面曇り。あんまり景色を見渡せず幸先悪いなあと思いながら登山開始。

きつい登りとかはなく軽いトレッキングみたいな感じ。 目的地はConfluencia と呼ばれるキャンプ地。目安コースタイムは4時間。天気はどんどん悪くなり小雨がちらつきどんより。少し肌寒くなって来たのでフリースも着用。風もけっこう強く寒くなってきて、バラクラバ欲しいなあと思ったらムーラに預けたのを思い出して萎える。ハードシェル着てフードでなんとかごまかす。スタートから3時間くらいで最初のキャンプ地CONFULUENCIA に到着。

標高は約3300m。空気はじゃっかん薄いかなって感じ。 レンジャー小屋でスタンプをもらい、INKA のでかいテントへ。キッチンのようでめちゃくちゃあったかくて幸せを感じた。グレープフルーツジュースももらえた。1人の日本人とも出会った。2人組らしく、さらにもう2人の日本人がいるらしい。

あられが少し弱まったタイミングでテント設営。しかし強風のせいでなかなか難しい。2人がかりで設営して夕食の準備。お湯だけでできるクリームチーズパスタを食べた。そのまま寝袋も準備して寝た。
TIPS:ここは飲み水も水洗トイレもある。15$でお湯シャワーも浴びれる。天候が晴れだと半袖で十分なほど日中は暑い。僕が来たときは悪天候で寒かった。ここで高山病になってしまいリタイアの人もいる。慎重に。呼吸を乱さない速度を守ること。周りと比べるな

DAY2 CONFULUENCIA ~PLAZA FRANCIA

天候はくもり。
この日はまだベースキャンプの方へは向かわず、高度順応のためPLAZA FRANCIA (4100M) へ。コースタイムは行きが5時間帰りが3時間トータル8時間とやや長め。サクッと朝食を済ませ朝8時に出発。昨日と同様アップダウンは少なくひたすら歩く。ひたすら歩く。

景色は綺麗なんだけど全然変わらん。飽きる。2時間少々歩いたところでうっすらアコンカグアが見える。

今から登る山なのに遠すぎて実感が湧かない。さらにそこから1時間、南壁があらわに。
でもまだ全然小さい。はよ終わらんかなーと思いながらひたすら歩いてスタートから5時間弱、南壁の展望台に到着。この手前にもいい感じに見える場所があってそこで引き返すグループもいた。俺もそこで帰りたかった。それでもはるか先に見えるアコンカグア

その山頂にはレンズ雲。きっと暴風なのだろう。

達成感もあったけど、まだ足元にも辿り着いてない事実が身をひきしめた。
帰りもひたすら歩く。一回見た景色を見ながら帰るのでおもんなさが倍。下山ほど面白くないものはない。2時間半ほどでCONFLUENCIA 着。そこで急なハプニング発生。
友達「ベースキャンプには行けない。腰がいたくてもう無理だ」
頭の中が一瞬?でいっぱいになった。えええ、マジマジ、降りるの。マジか。元々1人で登る予定だったのでそこまでパニックにはならなかった。ただ、これまで頼っていた部分も多く喪失感が凄くあった。メンドーサのホテルでは2人で山頂にいる図をずっと空想してた。急にいなくなるのか。 俺も帰りたくなって、"俺も降りるよ"と言いかけたけどムーラに預けた荷物を思い出した。山は登れなくても荷物を取りにいかないと。しかも持ってもらうはずのテントも自分で運ばないといけなくなった。4人用テント担ぐのダルいなあ。明日はかなりキツイと言われるベースキャンプまでの道のり。急になんとも言えない不安に襲われたけどご飯を食べてさっさと寝た。

DAY3 CONFULUENCIA ~ PLAZA DE MULAS

天気は相変わらず曇り。6時に起きて朝食を済ませ、テントの撤収。友達は身長2m近くあり、今回テントは4人用を使っている。デカイ。組み立てもそうだったけど、撤収もやや時間がかかる。これからはコレを一人でしないといけない。強風の中、一人で組み立て・撤収する自信が全然ない。さらに憂鬱になる。しかも重量は4キロ超え。でも仕方ない、ザックに無理やり外付けし腰を上げる。今日は長い1日になりそうだ。目安コースタイムは8時間。10時間ぐらいを目標に歩をすすめる。
服装はベースレイヤー+フリース、タイツ+ソフトシェル
スタート直後、谷降り橋を渡って谷を登る。普通にキツイ。その後はしばらく平坦な道。歩けど歩けど景色は変わらず。

イヤフォンをつけてゼルダの伝説のBGMを流した。ハイラル平原を聴いてるときはめちゃくちゃ楽し歩けた。2時間ぐらい歩いてスタート時には全く見えなかった登山隊に追いつく。心細かったので混ぜてもらったが、歩調が合わなさすぎて追い抜いてまた1人で進んだ。そこから1時間ぐらいして、下り中のおじさんと遭遇。追い抜いたりしたしペース早いかな?と思いBCまでどれくらいか尋ねた。
「うーん、こっからだと5時間だね!」
今は出発してから3時間。コースタイムは8時間だからザ・普通やんけ!とげんなり。
1時間後Plaza de mulas 4hrsの 看板が。やっと半分かーとやや達成感感じつつがっつり休憩。サミット達成者のイケメンとも出会った。
体力も余裕があって、けっこう余裕やなーと調子乗ってたらそこから地獄で。
急にアップダウンがかなり激しくなり、下っては登り下っては登りで進んでいく。30分に1回ぐらいは休憩挟んだ。 全然見えてこないベースキャンプ、果てしなく続くトレース。戻ることも出来ないから進むしかない。でもいつ終わるかわからない道のり。帰りたくて仕方なかった。午後2時、スタートから6時間後あたりから雪も降り出した。でも全然ゴールは見えない。そのあたりで崖登りがあった。この上にベースキャンプだ!と思い、それだけを頼りに登った。ぼろぼろ崩れる斜面に苦戦しながら登りきる。でもそこにあったのは平然続くトレース。ベースキャンプはまだ1ミリも見えない。雪も風もどんどん強まっていく。ここに来たことをめちゃくちゃ後悔しながら進む。山頂なんかどうでもよくて、本当に帰りたかった。無理やり脚を動かし進んでいると、ムーラを連れたおじさんに
「solo diez minutos (あとたった10 分だよ)」と言われ、あんまりアテにしなかったがそれを希望に歩いた。
10分後カーブを曲がると一気に視界が開けて、ベースキャンプがあった。
安堵で座り込みそうになったが気合いでレンジャー小屋へ。
時刻は4時すぎでスタートから8時間ちょっと。もっとゆっくりで良かったのかあと思いつつパーミットにサインしてもらう。INKA のテントで少し休憩する。テントを設営しないといけない。でも外は大雪。幸いアコンカグアの夜は8時以降だから時間はある。。でも止む気配はない。さっさと済ませようと思いテントの設営。
吹雪の中、1人で泣きそうになりながら4人用テントを設営。なんでこんなデカいねんとかめちゃくちゃイライラしながら設営した。
テントにこもり食事。ここには2人分×15日分もの食料がある。とりあえずラーメン2袋食べた。
まだ陽が落ちてないのでBCを散策する。

来た道を振り返る。周りは5000m峰。

山頂はまだまだ遠い。
寝袋準備をして入る。テントを揺らす暴風が孤独感いっそう強くさせた。めっちゃ寂しくて彼女の動画見ながらめっちゃ泣いてた。10秒ぐらいしかない動画をずっとリピートした。 早く終わらせて帰りたい、明日にはもう下山していろんな人と電話したいとか考えて山登りに対する気持ちはゼロだった。
TIPS: Confluenciaと同様飲み水、トイレはちゃんとある。水洗じゃないけど。天気が良いときの日中はポカポカしてて、陽が落ちてくるとかなり冷え込む。午後8時でも明るく9時で日没。インターネット小屋でwifi (5usd/15min)使えたり、お土産買えたり。食事は1食35~100usdで頼める。たけえよ。

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